内藤家ゆかりの能面・狂言面

延岡市の市制施行60周年(平成5年)に際し、旧延岡藩主、内藤家17代当主、故・内藤政道(ないとう　まさみち)氏から、歴代藩主ゆかりの貴重な文化財とともに、能、狂言の面 72面が寄贈されました。

延岡市が、寄贈された能面の鑑定を、能面研究の第一人者であった故・中村保雄(なかむら　やすお)氏に依頼したところ、能面66面のうち30面が安土・桃山時代～江戸時代初期に活躍し、豊臣秀吉や朝廷から「天下一」の称号を与えられた作家の手によるもので、非常に文化的価値の高いものであることが判明しました。

No	種別	系統	名称	イメージ	読み・寸法(㎝)・製作時期・製作者
1	能面系	翁系	白式尉		白式尉(しろしきじょう)、19.5×14.9 室町末期神面として、代々の延岡藩主が受け継いだ面
2	能面系	翁系	黒式尉		黒式尉(くろしきじょう)、18.2×14.5 室町末期神面として、代々の延岡藩主が受け継いだ面
3	能面系	鬼神系	大飛出		大飛出(おおとびで)、21.9×16.7 江戸初期、天上の神役に使用
4	能面系	鬼神系	三光飛出		三光飛出(さんこうとびで)、20.6×15.4 江戸初期天下一若狭守
5	能面系	鬼神系	雷		雷(いかづち)、20.1×16.0 江戸初期天下一若狭守
6	能面系	鬼神系	黒鬚		黒鬚(くろひげ)、19.6×14.3 江戸初期、海中の龍神役に使用
7	能面系	鬼神系	猿飛出		猿飛出(さるとびで)、20.4×15.0 江戸中期、地上を駆け巡る神役に使用天下一近江守
8	能面系	鬼神系	猿飛出		猿飛出(さるとびで)、20.1×14.8 江戸初期天下一若狭守
9	能面系	鬼神系	天神		天神(てんじん)、20.4×14.7 江戸初期、天部の神々もしくは菅原道真役に使用天下一若狭守
10	能面系	鬼神系	顰		顰(しかみ)、21.2×15.6 江戸中～末期、悪鬼神に使用
11	能面系	鬼神系	大べし見		大べし見(おおべしみ)、22.3×16.9 江戸初～中期、天狗魔障の役に使用天下一大和守
12	能面系	鬼神系	不動		不動(ふどう)、20.8×16.1 江戸初期、善鬼神の役に使用天下一若狭守
13	能面系	鬼神系	長霊べし見		長霊べし見(ちょうれいべしみ)、20.6×16.3 江戸中期
14	能面系	鬼神系	鼻瘤悪尉		鼻瘤悪尉(はなこぶあくじょう)、20.3×16.4 江戸初期、渡来の神役天下一若狭守
15	能面系	鬼神系	べし見悪尉		べし見悪尉(べしみあくじょう)、20.3×17.0 江戸初期、『恋重荷』の専用面天下一若狭守
16	能面系	尉系	小尉		小尉(こじょう)、20.8×15.9 桃山～江戸初期天下一是関
17	能面系	尉系	小尉		小尉(こじょう)、20.0×15.0 江戸初期天下一若狭守
18	能面系	尉系	朝倉尉		朝倉尉(あさくらじょう)、20.0×15.4 江戸初期天下一若狭守
19	能面系	尉系	三光尉		三光尉(さんこうじょう)、20.3×15.7 江戸中期
20	能面系	尉系	笑尉		笑尉(わらいじょう)、20.2×15.5 江戸初期
21	能面系	男系	中将		中将(ちゅうじょう)、20.5×13.7 江戸初期宗能
22	能面系	男系	中将		中将(ちゅうじょう)、20.5×13.7 江戸初期
23	能面系	男系	中将		中将(ちゅうじょう)、20.4×13.5 江戸中期
24	能面系	男系	邯鄲男		邯鄲男(かんたんおとこ)、20.3×13.8 江戸中期
25	能面系	男系	邯鄲男		邯鄲男(かんたんおとこ)、19.7×14.0 江戸中期
26	能面系	男系	十六		十六(じゅうろく)、19.8×13.9 江戸中期
27	能面系	男系	平太		平太(へいだ)、20.2×14.2 江戸中期宗能
28	能面系	男系	平太		平太(へいだ)、20.5×14.4 江戸中期末弘
29	能面系	男系	平太		平太(へいだ)、20.6×14.1 江戸中期末弘
30	能面系	男系	俊寛		俊寛(しゅんかん)、19.8×15.2 江戸初期天下一若狭守
31	能面系	男系	景清		景清(かげきよ)、19.7×14.5 江戸初期天下一若狭守
32	能面系	男系	弱法師		弱法師(よろぼし)、20.1×14.2 江戸初期天下一若狭守
33	能面系	男系	中喝食		中喝食(ちゅうかつしき)、20.5×13.8 江戸初期宗能
34	能面系	男系	小喝食		小喝食(こかつしき)、21.0×13.6 江戸中期末弘
35	能面系	男系	童子		童子(どうじ)、20.6×13.7 江戸初期天下一是関
36	能面系	男系	童子		童子(どうじ)、20.5×14.1 江戸中期
37	能面系	男系	猩々		猩々(しょうじょう)、20.6×13.6 江戸初期
38	能面系	男系	猩々		猩々(しょうじょう)、20.6×13.6 江戸初期
39	能面系	男系	猩々		猩々(しょうじょう)、20.6×13.6 江戸初期
40	能面系	男系	菩薩		菩薩(ぼさつ)、19.3×13.2 製作年代不明
41	能面系	女系	小面		小面(こおもて)、21.0×13.4 桃山～江戸初期
42	能面系	女系	小面		小面(こおもて)、21.2×13.4 江戸初期宗能
43	能面系	女系	若女		若女(わかおんな)、21.2×13.5 江戸中期
44	能面系	女系	増女		増女(ぞうおんな)、21.4×13.6 江戸中期
45	能面系	女系	深井		深井(ふかい)、20.6×13.5 江戸中期出目庸久(大野出目家六代目)
46	能面系	女系	深井		深井(ふかい)、20.6×13.5 江戸初期天下一若狭守
47	能面系	女系	姥		姥(うば)、20.5×14.4 江戸初～中期天下一近江
48	能面系	女系	姥		姥(うば)、21.6×14.1 江戸中～末期
49	能面系	女系	姥		姥(うば)、19.4×14.3 江戸末期
50	能面系	霊系	三日月		三日月(みかづき)、20.7×14.1 江戸末期
51	能面系	霊系	怪士		怪士(あやかし)、20.3×14.3 江戸初期宗能
52	能面系	霊系	怪士		怪士(あやかし)、20.3×14.3 江戸初期天下一若狭守
53	能面系	霊系	鷹		鷹(たか)、20.5×16.3 江戸初期天下一若狭守
54	能面系	霊系	頼政		頼政(よりまさ)、21.3×15.1 江戸中期
55	能面系	霊系	痩男		痩男(やせおとこ)、19.5×15.0 江戸中期
56	能面系	霊系	痩男		痩男(やせおとこ)、21.0×14.6 江戸中期天下一若狭守
57	能面系	霊系	蛙		蛙(かわず)、20.0×15.2 江戸初期天下一若狭守
58	能面系	霊系	泥眼		泥眼(でいがん)、21.0×13.5 桃山～江戸初期天下一是関
59	能面系	霊系	霊女		霊女(りょうのおんな)、20.5×13.5 江戸初期天下一若狭守
60	能面系	霊系	橋姫		橋姫(はしひめ)、20.7×14.2 江戸初期天下一若狭守
61	能面系	霊系	生成		生成(なまなり)、21.4×15.2 江戸初期天下一若狭守
62	能面系	霊系	般若		般若(はんにゃ)、20.5×16.0 江戸初期
63	能面系	霊系	般若		般若(はんにゃ)、21.2×16.6 江戸初期
64	能面系	霊系	般若		般若(はんにゃ)、20.6×15.9 江戸初期天下一若狭守
65	能面系	霊系	蛇		蛇(じゃ)、20.3×15.8 江戸初期天下一若狭守
66	能面系	霊系	蛇		蛇(じゃ)、20.3×15.3 江戸初期天下一若狭守
67	狂言面		大黒		大黒(だいこく)、19.8×17.2 江戸中期
68	狂言面		登鬚		登鬚(のぼりひげ)、19.7×14.7 江戸中期
69	狂言面		嘘吹		嘘吹(うそぶき)、20.2×15.1 江戸中期
70	狂言面		猿		猿(さる)、21.3×13.6 製作年代不明
71	狂言面		猿		猿(さる)、20.4×12.2 製作年代不明
72	狂言面		猿		猿(さる)、20.0×14.1 製作年代不明