薄皮の中からアンが顔をのぞかせる
小麦粉で作った皮(延岡ではガワともいう)のところどころから、中のアンが見える薄皮まんじゅうで、
延岡名物のお菓子の1つです。
「やぶれまんじゅう」の由来
「やぶれまんじゅう」は、今から400年ほど前の慶長19(1614)年、延岡の製菓店が売り出したのが始まりで、中町にあった佐々木磯吉菓子店が受け継ぎ広まりました。
その由来は、天岩戸に隠れたアマテラスオオミカミをアメノウズメノミコトが木の小枝を持って面白おかしく舞い踊り外の世界へ導いたという神話で、この時の小枝が皇賀玉(おがたま・招霊)の木で、現在でも神事にはこの木が使われていることに基づいて、このオガタマの実を形どっています。そのため「オガタマまんじゅう」とも言われます。
「やぶれまんじゅう」の製法
大きな鍋で丁寧に練り合わせた「あん」を「ガワ」に包み込み、蒸して作ります。「ガワ」には小麦粉のほかに卵の白身が加えられています。それをせいろに並べて蒸します。熱湯が白い蒸気となって「せいろ」に回り、白い皮となって出来上がります。「あん」が透き通って、他に比べて小ぶりなのが延岡の特徴です。大正時代の頃までは小豆のこしあんを用いていましたが、現在では粒あんが主流となっています。
まんじゅうは中国から
「まんじゅう」のように蒸して作るのは、鎌倉時代に中国から帰化した林浄因の子孫が京都で作り、江戸へと広がっていったと言われています。
和菓子の分類
「ようかん」の練り物、「まんじゅう」類の蒸し物、「金つば」類の焼き物、「桜もち」類のもち物、「半生もの」の生菓子に分類されます。